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2024.03.21

事業承継すごろく活用のすすめ

「事業承継は難しい」という声を良く聞きます。なぜそう思うのでしょうか。恐らくほとんどの経営者にとって事業承継は一生に一度のイベントであり、何をどのように準備し、実施すれば良いか分からないからではないでしょうか。そこで、架空の企業経営者を通して、事業承継を体験できるように「事業承継すごろく」を作成しました。このすごろくは親族内や従業員への事業承継を前提としていますが、これから事業承継に取り組む経営者・後継者や、実際に現場で支援されている商工会・商工会議所・地域金融機関などの皆さんにも活用していただけます。事業承継には、親族や従業員に承継する方法のほかに、創業される方や移住される方を含む第三者に承継する方法があり、承継先の見つけ方や承継方法も様々です。すごろくで遊んだ後は、各県の事業承継・引継ぎ支援センターや商工会・商工会議所・地域金融機関などにお気軽にご相談ください。

目次

事業承継すごろくダウンロード(PDF)

企業プロフィール

地方都市の食品製造業。売上3億円、従業員20名の典型的な町工場。

人物紹介

社長(65歳、創業者)

奥様(63歳、当社で経理を担当)

長女(35歳、当社営業課長)

工場長(50歳・地元の工業高校卒業後当社一筋勤32歳、社長の右腕)

ストーリー

社長は近所の事業者が後継者不在で廃業したことをきっかけに事業承継の準備を開始します。商工団体のセミナーやJ-NET21などで事業承継に関する情報を収集。社長夫妻には、東京の大手企業に勤めている長男もいますが、地元に戻って会社を継ぐ意思がないことは確認済みでした。そこで、後継者候補として、営業として勤務している長女か、長年右腕として会社を支えている工場長の2人に白羽の矢を立てることとなります。

事業承継の流れ

後継者候補が決まってからは、「経営の見える化(SWOT分析)」「会社の磨き上げ」「資金繰り改善」「事業承継計画書作成」などを通じて、今の経営状況や課題を把握し、解決を図ります。
親族内・従業員承継においては、経営に関与しない親族から遺留分請求をされるケースがあります。そのため、現在の株価・資産価値や相続税を算定して、事前に対策を講じることも必要です。後でトラブルとならないように、家族会議は必須です。


また中小企業の場合、社長がひとりで経営の意思決定をしていることが多く、後継者を経営者として育成する必要があります。中小企業大学校では、後継者の育成を目的とした「次世代経営者養成コース」など、様々な研修を実施しています。

早めの準備と相談を

実際に「事業承継すごろく」をすると、相続税対策は事業承継対策のほんの一部に過ぎないことが分かると思います。事業承継は、ヒトの承継(後継者)・資産の承継・目に見えにくい経営資源(強み)の承継を実施することです。円滑な事業承継のためには早めの準備が重要です。


「事業承継についての相談全般」「事業承継計画書作成」の際には、地域の商工会議所・商工会や金融機関のほかに、国が設置する「事業承継・引継ぎ支援センター」に気軽に相談することができます。
人生100年時代と言われて久しいです。多くの経営者が円滑な事業承継を実現してハッピーリタイアを果たすこと、第2の人生も素晴らしいものにすることを願っています。

中小機構九州本部 中小企業アドバイザー
工藤 芳純 氏(くどう よしつな)
合同会社ワイズサポートCEO、中小企業診断士、農業経営アドバイザー
外資系金融機関等を経て2012年に独立開業。民間経営コンサルタントとして従事する一方、6次産業化サポートセンター・よろず支援拠点・事業承継支援ネットワーク(現事業承継・引継ぎ支援センター)等で、コーディネーターとして公的支援にも従事。幅広い業種・業態への支援経験を活かした中小企業支援を実施している。